患者の心の悩みを解決する職業

医療現場で働いている看護師は、傷病が原因で心の悩みを持つ患者と接する機会が多い。治癒が困難な傷病を抱える患者の不安やストレスは大きく、看護師が心のケアの重要性を感じることも多いだろう。
また、傷病の治療が成功しても、患者が心に負ったキズまで完治できるとは限らない。そのため、実務経験の豊富な看護師ほど、患者の精神的サポートの必要性を痛感しているだろう。
こうした背景から、看護師の中には、医療機関で仕事を続けながら、心理カウンセラーや電話相談員の資格取得を目指している人もいる。もちろん、スキルアップのために心理カウンセラーの資格を取る看護師も少なくないが、看護師を辞めてカウンセラーという職業に転身する人も散見される。

職業として心理カウンセラーを専門にすれば、医療の分野だけでなく、福祉や教育から司法や産業の分野まで活躍できる範囲が広がるだろう。
心理カウンセラーの業務は、患者の話をじっくり聴くカウンセリングが中心となる。
多忙で短時間の問診を強いられる医療現場では、看護師が患者の話を聴く時間を確保することは難しい。患者との対話を重視したい看護師にとって、心理カウンセラーの立場は魅力的だろう。

特に、精神科や心療内科に勤務している看護師の中には、心理学について知見を深めカウンセリングの質を高めたいと考えている人も多い。
電話相談員は対面の必要がないので、患者が他人に話しにくい悩みであっても気楽に相談しやすいというメリットがある。相談員が看護師であれば患者も安心して相談できるため、看護師は電話相談員として活躍しやすい。